一般的に人工(人造)大理石は、以下の4種類に分けられます。
- 擬石(テラゾー、グラニット)
- 不飽和ポリエステル系人工大理石―ゲルコートタイプ
- 不飽和ポリエステル系人工大理石―ソリッドタイプ
- アクリル系人工大理石
包括して“人工(人造)大理石”と呼ばれていますが、骨材、製法、性能も異なる為に充分な知識が必要です。
尚、人工大理石と人造大理石は明確に区別して使われていません。
1.擬石
・テラゾー
石を砕いて樹脂又はモルタル等で固めたもの。1950年代前半には人研石が流し台の天板となっていました。現在では、トイレの間仕切り及び駅の階段等に使用されています。
・グラニット
最近のインテリア材として床、壁材に使用される御影石風の商品も数多く販売されています。キッチン天板にも最近使用されていますが、天然石の粒をポリエステル樹脂で固める為に、加工性、重量、高価格等の問題があります。
2.不飽和ポリエステル系人工大理石―ゲルコートタイプ
・表面にコーティング(ゲルコート層)をほどこした素材で骨材には様々な素材が使用されています。
・表面のゲルコート層に耐久性がなく、傷がつき易く、傷の補修ができません。
・ジョイント部を美しく仕上げることが難しい。
・耐衝撃性に問題があります。
・特注サイズやレイアウト、木口の処理が難しい。
3.不飽和ポリエステル系人工大理石―ソリッドタイプ
・ポリエステル系の樹脂に無機物質等を混入させたコーティングをほどこしていない素材。
・ポリエステル系樹脂を使用している為、深みのある美観に欠けます。
・一般的に黄変してしまいます。
・汚れ落ちが良くありません。
・アクリル系人工大理石に比べ製造コストは安価です。
4.アクリル系人工大理石(ここでは、ポリエステル樹などを混合した、樹脂成分が100%のアクリル樹脂でないものを
「アクリル系人工大理石」と定義しています。)
・種々のメーカーで製造されているが、バランス良く特長をもたせた製品ではありません。
(曲げ加工ができない、美しいが汚れに弱い等々)
・経年変化や実用段階での実績がない為、一概に比較することは困難です。
(MRC・デュポン(株) デュポン コーリアン商品知識の手引きより引用)
上記以外に樹脂成分が100%アクリル樹脂のデュポンコーリアンのようなメタクリル樹脂強化無機材
があります。この分類に入るものとしては、デュポンコーリアン以外に「クラレ・ノーブルライト」、
「サムスン・スタローン」、「LG・ハイマックス」等があります。